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ぽんプラザホールDDシアター 万能グローブガラパゴスダイナモス「ボスがイエスマン」
の初日終演後に、作・演出である川口大樹さんとドラマドクターの土田英生さんを迎え、
「地域演劇を活性化するDDシアターの可能性」として、地域演劇活性化の視点から
DDシアターの手法や可能性について意見を交わすアフタートークを行いました。
このアフタートークはインターネットを活用したライブ映像発信を行い、希望者はどなたでも無料で視聴することが出来るようにしました。

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日時

3月12日(木)21時25分ごろから約30分間
19時30分からの公演終了後、アフタートークを開始。

パネリスト

土田英生(MONO|DDシアタードラマドクター)
川口大樹(万能グローブ ガラパゴスダイナモス|脚本・演出)
中井久美((財)広島市文化財団 広島市南区民文化センター|演劇事業担当)
高崎大志(NPO法人FPAP 事務局長) 

レポート
              

ぽんプラザホールDDシアター 万能グローブ ガラパゴスダイナモス 第8回公演「ボスがイエスマン」初日公演終了後、21時30分よりアフタートークを開始しました。同時にネット配信も開始しました。

今回のDDシアターのエピソードを交えながら、地域演劇を活性化するためにDDシアターにどのような可能性、効果が期待できるかについて意見を交わしました。

DDシアターとは?

公演団体に脚本や演出のアドバイスをするドラマドクター(DD)を選んでもらい、創作の過程でドラマドクターから様々な助言をもらいながら一つの公演を作り上げるという企画です。
7月頃から1,2ヶ月に1回ずつ、4回ほど作品について協議を重ね、メール等で脚本についてDDと劇団の間でやりとりをし、初日の2週間ほど前に1度稽古を見てもらい、今日の初日を迎えました。

ドラマドクターの話をもらったとき、どう思いましたか?

自分がドクターというのはおこがましいという思いがあった。また将来自分のライバルになる人間をなぜ育てないといけないのかと思った(会場笑)たとえば僕らの世代の中では使わなかった台詞を使っていたりするので、自分にもあらたな発見があったりする。(土田)

協議はどれくらいの回数を行ったんですか?(中井)

5ヶ月くらい前に1回目の協議を行い、 そのあとは1ヶ月くらいごとに会って協議という感じでしたね。最後の方はメールもよくやりとりした。(土田)

全部で5回くらい会う機会を設けてそのつど協議を行っていたが、本番が近くなってくると電話やメールも多くなった。(高崎)

外の地域から見て、DDシアターが地域演劇に活性化することについてどんな効果があると思うか?

まず、DDシアターの特徴として、個人ではなく団体との共催であること、団体側が教えてほしい人を選ぶということがあると思う。
団体側からこの人がいいというのを選べるので、団体側の学ぼうとする姿勢も違ってくるのでは。
今回土田さんと川口さんのお話を聞き、ドラマドクターとの関係が密なところがすごいと思った(中井)

確かに今回DDシアターという企画は、2人が事前にある程度良い人間関係があったというところに支えられているところもある。
DDシアター成功の秘訣の一つには信頼関係があげられる(高崎)

後輩が先輩に相談するというのは普通のこと。たとえば東京なら劇団もたくさんあって、どこかにいけば先輩にあって相談することができる。自分も京都を拠点にしているが、地域にいけばいくほど(表現者の数が減って)そういう機会が少なくなる。
DDシアターがそういうきっかけをつくった。こういうことが普通に行われていけば地域でも全体がレベルアップしていくのでは。(土田)

これからDDシアターに応募してくる団体に向けて、
どういう人にドラマドクターになってもらうといいか?


自分が苦手なこと、自分がもってないものとかを作家さんもっている人を選ぶのがいいかなという気がします。
長所の部分ではなく、苦手な部分を伸ばしてもらった方が底上げという意味ではいいのではと思う。同じジャンルの範囲の中で、その中でも違いがある人とやっていくのが面白いかも。(川口)

どこか共通する素地があった上で、どこかに違いがあった方がおもしろいかもしれないね。(土田)

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土田さんはじめ楽しいトーク展開に会場も笑いの溢れる良い雰囲気でした。土田さん、川口さんのやりとりからもお二人の良い関係性が伝わってきます。表現者同士の縦や横のつながり、交流は、作品を作っていく環境としてとても重要な要素であることが共有されたのではないでしょうか。


 

 

 


 


 



 

 

 


 

 

 




 

 

 



 

 

 

 



 

 

 

 



 

 

 

 




今回のアフタートークは、インターネットを活用したライブ映像発信を行い、全国各地域から21名のご視聴をいただきました。
ネット中継をご覧いただいた方々よりいただきました感想をご紹介します。

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トークの内容としては、土田さんの
「こういう、後輩が先輩にアドバイスを求めて
教えてもらうなんていうことは、実は普通のことだよね。」
というお言葉が、非常に印象的でした。
では、なぜ今回のDDシアターのような企画が必要なのか、と考えてみると、それはやはり「地域演劇の活性化」という この企画の最大の目的に辿り着くように思いました。作品のクオリティを上げたり団体としてパワーアップしたりするためには、 外(他地域)の刺激を取り入れることは非常に大切なことだと思います。
 そういう意味では、東京で活動するということはやはり有利です。
他地域の劇団が公演をしにきたり、イベントなどの出会いの場が多かったり自分から動かずとも、嫌でも外から刺激がやってくるからです。 逆に、地域にいるからこそ、今回のように自ら積極的に刺激を受信発信していくことが とても重要になってくるのだと、改めて感じました。
今回のDDシアターは、その一つの形を示したという意味で、
とても良い企画だったのではないかと思います。
それにしても、アフタートークを聞いていると、
作品を生で観られないのがますます残念になってきました・・・
人間の心情、という新しいエッセンスを取り入れることで、 今までのガラパ作品からどのように変わったのか、観てみたかったです。

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まず、 「地域演劇を活性化するDDシアターの可能性」という「テーマ」に関しての掘り下げが、もう少しあると良かったと思いました。
土田さん、川口さんはもちろんの事、高崎さんに加え、わざわざ広島から演劇事業担当の方が来られている事からも、「地域演劇の活性化」に対する具体案、もしくはヒントになる事が出るのを期待しました。
ただ、DDシアターの説明についてはよくされていたし、それを利用することで中央では当たり前にあるであろう、 先輩や仲間からのアドバイスや、「切磋琢磨」するという環境を手に入れる事ができるというのはわかりました。

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「演劇人が少ない環境でのDDの意義」に気づかされて良かったです。相談できる相手が近くにいる・いないということ。
会社員時代、「社内メンター制度」を導入しましたが、それを思い出しました。一番重要なのは「相性」なんでしょうね。

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まず、今回のようなネットにてライブ映像を見る試み、遠方のものにとって大変ありがたいことです。また、土田さんも川口さんもトークがほんとにおもしろくて、お二人の関係が非常に良いのだろうなということが伝わってきました。
DDシアターという試みは土田さんがおっしゃっていたように、
ドクター、あるいは演出家さんのいずれかの一方通行ではなく、お互いにとって刺激や学びになるのですね。これはお互い新しいファンを獲得することにもつながりそうで、そういった面も有意義だと感じました。
でも川口さんがおっしゃっていたようにDDシアター以前からお二人の交友関係があったから今回のようにうまくいったということもあるかもしれないですね(今回、作品自体はみていませんが)。きっとドクターと演出家さんの関係がどのようにつなげるかが一つキーなのだなと感じました
いずれにしても、中井さんがおっしゃっていたように、地方(福岡)の芸術家が芸術活動が盛んな大都市で活躍している芸術家と密な関係をつくれる機会となることは、地方を拠点にする芸術家にとって幸せなことだと思います。私自身は現在京都在住で、大阪や神戸など芸術活動が盛んな地域に囲まれていますが、土田さんも おっしゃっていたように芸術家さん同士の出会い、交流というのは確かに普通に行なわれていることだと思います。現状としてそうでない地方の都市にとってDDシアターの試みは今後の地方の芸術活動にとってすごく魅力的な取り組みだと感じました。エフパップのDDシアターの取りくみは他の地方でも参考にされたら良いなと思います。

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現場の楽しそうな、活発な雰囲気を知ることができただけでも、わたしにとってはとても貴重なことでした。

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トークの中に出てきた「作品や戯曲に対する指導は、本来ならば、先輩が後輩に教えるという環境が普通にあればとても良いと思う。
しかし演劇人口の少なさから、それが実現しにくい(特に地域)状態にある」といった内容に非常に心惹かれました。
今まで私は、演劇で戯曲を書くことや演出をすることは
ひたすら劇作家・演出家が個人で孤独に追求していくもの
というイメージを持っていたのですが、
学校や仕事場で、後輩が先輩に気軽に教えを請うように、
作家・演出家が先達に相談することが普通になれば、
作品作りにおいても非常に心強いでしょうし、教えるほう、教わるほう、どちらも成長する機会にもなると感じました。
また、劇場関係者として
「その機会(演劇の先輩後輩をつなげること)を、
劇場側が提供するという試みは大変有意義だと思う」
といった内容の中井さんの言葉に非常に共感しました。

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主催

 万能グローブガラパゴスダイナモス・NPO法人FPAP

助成

 財団法人アサヒビール芸術文化財団
 http://www.asahibeer.co.jp/csr/philanthropy/ab-art/index.html


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