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演劇の演出家の仕事は実に多岐にわたります。
今回は、演出家が舞台を作り上げたり、ある劇団で演出を続ける中で、「役者を伸ばす」ために一体どうすればいいのか?ということについて、4人の演出家に語っていただきます。
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日時:2007年12月9日(日)18:00〜20:00   場所:ゆめアール大橋

パネリスト:
  岩崎 正裕(劇団太陽族/劇作家・演出家)
  泊 篤志(飛ぶ劇場/劇作家・演出家)
  後藤 香(元:座"K2T3/劇作家・演出家)
  中村 雪絵(劇団ぎゃ。/劇作家・演出家)
  橋口 幸絵(札幌:千年王國)
司会:
  高崎 大志(FPAP事務局長)

第一部 伸びる役者、伸びない役者「ココ」が違う










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(チラシより:演出を続けてきて多くの役者を見る中で、伸びる役者伸びない役者の違いとは何か、演出家のぶっちゃけ伏せ字トーク。俳優女優必見です。)

ずばりまず伸びる役者とは、

・自分と世界の関係が確定している人(世界観をしっかり持った人)が伸びる
・人とつるまず孤独を楽しむ人が伸びる
・体を通さないとセリフを理解できない人が伸びる
・自分の言葉で喋らない人が伸びる
・程よい屈折感を感じている人が伸びる
・土台がないうちにあっちこっちの劇団で出るのは伸びない

などどんどん出てくる。
「集団でいることに安心しているような人は役者として伸びない」というようなところは共通しているようでしたが、やはり人によって違うし、役者の類型によっても違うようです。

「程よい屈折感」という表現はなかなかポイント高かったようで、
妙に納得させられる場面でした。

あと、「突然の主役の抜擢」や「一人だけでの県外公演」や、「ワークショップで教える側にさせる」などで成長を促すことができるというのを実名を挙げての実例紹介をしていましたが、それぞれにタイミングが必要だということでした。
「突然の主役の抜擢」については、アニメのような偶然で起こったもので、ドラマチックでしたね。「一人だけの県外公演」もハプニングだったようですが、これをさせるには送る側も勇気が要りますね。

色々なエピソードから、伸びる伸びないは、演出家との相性も大きなウェイトを占めるなぁと感じました。
あと役者の成長の原点は劇団という集団だというようなことは節々で触れられていました。この視点は第二部にもつながるものでした。

第二部 役者をのばすために演出家に出来ること
(チラシより:役者をのばすのは演出家の責任!?一つの舞台を作り上げるだけではなく、中長期的視点で役者をのばすために演出家に出来ることは何か?演出家必見です。)

まずは各パネリストの演出方法から確認。

主に稽古場での時間の使い方。
ひたすら稽古場で悩む時間を作るという演出家もいれば、悩む時間は別にして稽古場ではとにかく決まったことをやってもらうという演出家もいました。演出家同士で、「そうか、そうすればいいのか」と演出方法の改善を思いつく場面もあり、盛り上がりました。

役者を伸ばすために演出家にできることと言うところでは、今回は演出も脚本も劇団代表もやっているという人が集まったので、演出家に限った視点ではないですが、団体の目的を示して、それに向かうようにするというのが役者を伸ばすし、劇団を伸ばすというところで意見が一致したように見えました。

劇団とは何ですかという橋口さんの問いに対して、「継続して実験できる場所」という意見がありましたが、これには同意する人としない人がいて、「劇団」というものの捉え方についても演出家それぞれだなと感じました。

ただ、客演や外部によるプロデュース公演では、実験的なところまで踏み出すことができず、無難に仕上げることになり、成長の視点では劇団の本公演が重要というところでは意見が一致したように見えました。

最後にずばり演出家に向いているひとはどういう人かという問いに対して、諦めない人、視野が広くて決断力がある人、言い切れる人、産み出させる産婆役という意見がありました。

パネリストの個性が強烈で、よく分からないテンションのままぽんぽん役者名が飛び出し、実感の伝わるトークで、演出やっている人はもとより、役者の人にも刺激になったのではと思います。


<レポート 本田>

 

主催:NPO法人FPAP(エフパップ)

 
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