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平成16年12月14日
仙台の小劇場系演劇状況の特徴
NPO法人FPAP事務局長 高崎大志
  平成16年11月仙台に行く機会があり、仙台の演劇関係者からいろいろ話を聞く機会を持つことが出来た。
以下はヒアリング内容の箇条書きである。(時間がとれなくて、文章化しようとすると、そのままお蔵入りしてしまいそうなので・・・)
先方から聞いた話をそのまま書いている部分や、複数の人の意見を総合した部分や、自分の感想などが入り交じっていて、正確性に欠けることが予想される。
それでも、おおざっぱなところは感じ取ってもらえると思うので、以下好意的に解釈の上ご高覧ありたい。

■概況

□人口と面積仙台市街

人口 福岡市 138万人余(H15)
   福岡都市圏 229万人余(H15)
   仙台市 101万人余(H16)

面積 福岡市 約340平方キロ
   福岡都市圏 約1,169平方キロ
   仙台市 約788平方キロ

仙台市近郊の都市としては、石巻市が人口約10万人。電車で1時間ほどところにある。
都市圏人口を比較した場合、福岡都市圏が2倍ほどの人口になるようだ。
仙台は東北の中心的な都市といえる。


たまたま寄ったNPO共同事務所。これの劇団バージョンができるといいな・ 団体数は80前後
・複数の人から名前を聞いた団体としては、IQ150、OCTO/PASS、きらく企画、麦、六面座があげられる
・もっとも動員が多い劇団で、いい時に1000人くらいの動員がある。しかしコンスタントに1000人の動員があるというわけではない
・500人動員があれば、トップクラスの団体
・公演可能な劇場が少ないのが、団体の悩み
・めぼしい劇場としては、エルパークと10-BOX位
・エルパーク(http://www.sendai-l.jp/)はまちなかと呼ばれる市街にあり、キャパ250前後の劇場・バスは市営。全体的に本数が少ない。
・東京までの新幹線で2時間半。バスで片道約6時間(往復11,500円)のせいか、東京との距離が近い印象があり、東京での公演を打つ団体が福岡と比べて多いようだ。
・大学の演劇部、高校の演劇部、行政のワークショップなどが母体となり旗揚げに至るケースが多い。

■10-BOXについて(http://www.bunka.city.sendai.jp/annai_10BOX.html

・仙台の演劇状況のもっとも大きな特徴の一つといえる施設。ハードだけではなくソフト面での演劇状況への貢献が大きい。大道具室
・10-BOXは、パピオビールームB2のような複合練習施設で、そのうちの「制作室1」はシアポケが新しく広くなったようなスペースで、公演が可能。キャパ70〜100位。自由度が高く、使い勝手はよさそうである。
・24時間の使用が可能
・10-BOXには資料室や、印刷機や、紙折機や、大道具室や(電動鋸完備、材木の販売もしている)倉庫が備えられている。
・10-BOXではチラシストックの棚があり、チラシの共同折り込みも行われている。
・10-BOXでは、公演終了後、そのまま劇場内で交流会が開かれることが多い
・10-BOXを中心に、演劇団体のコミュニティのようなものができていて、かなり雰囲気が良さそうである。
共同折込用棚・10-BOXは宿泊も可能であり、他都市の団体が宿泊費の負担を最小にして公演をすることが可能。(研修を受ける必要がある)
・すべての演劇団体が、10-BOXをよく利用しているというわけではなく、コミュニティセンター等で練習をしている団体もある。
・交通の便が悪いので、車で来ている人は、帰るときに周囲に声をかけて同乗者の有無を確かめて帰ったりしている。
・団体によっては、公演終了後仙台駅までの車で送ってくれていたりする。
・10-BOXの工房長、熊谷さんは劇団麦という創立40年、公演回数85回の劇団の主催者でもある。
・実際に芝居づくりに携わっている人が、10-BOXのスタッフの中にいる。
・10-BOX行きのバスも1時間に数本程度。車や自転車で来る人が多い。

■行政の文化振興について(仙台市劇都仙台

・行政が演劇をもりあげていこうと、演劇祭や戯曲賞(賞金200万円!)や戯曲賞の公演やスタッフワークショップその他のイベントなどをやっている。

■演劇情報について

・「演劇仙台」(http://www.e-s.jp/)というサイトに仙台の演劇情報がもっとも集中している
・「演劇仙台」のサイトにでた情報は、そのままタウン誌などにも流れるようになっている。
・一般の人に地元団体の活動が伝わっているかといわれれば、厳しいとのこと。これは全国の演劇人の共通の課題であろう。

■交流について

・演劇人フォーラム(現:演劇ネットワーク)という横のつながりがあり、世代を越えた劇団間のつながりがあるあべひげ
・以前から活動している新劇系の劇団と、30代以下のメンバーが中心になって活動している団体との交流がある。
・「あべひげ」(http://www.abehige.com/)という仙台の演劇人ならみんなしってる(?)居酒屋がある。
・「あべひげ」にはメニューがない。マスターの気分による。リクエストは可能
・「あべひげ」ではチケットの販売もしてくれる
・仙台に行ったときは、ぜひ一度行ってみることをオススメする。

余談
仙台名物といえば「牛タン」だが、仙台には「牛タン屋」がかなり多い。大げさに言えば、大通りでキョロキョロすれば、「牛タン屋」が目に入る。

■今回お世話になった人たち

Gin's Bar 井伏銀太郎様あべひげ

財団法人仙台市市民文化事業団総務課係長 大里幸晴様
10-BOX工房長 熊谷盛様

仙台市市民局文化振興課文化振興係長 清水義明様
仙台市市民局文化振興課 阿部和則様
10-BOX 八巻寿文様

POINTO主宰 千羽和様
POINTO 千葉メグミ様
渡辺翼様
演劇集団 LadaTrosso タムラミキ様

あべひげ 阿部立男様

ありがとうございました。

■後記

fringeサイトを運営する荻野氏のブログfringe blogで10-BOXの魅力について紹介されている。
また、同ブログの中で仙台-東京間の新幹線での所要時間は正しくは1時間40分であることを指摘いただいたので、本文をもって修正とするとともに、指摘へのお礼とさせていただきたい。

せんだい演劇工房10-BOXの魅力(2005年02月08日)
http://fringe.jp/blog/archives/000262.html

 
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