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  『加藤昌史に訊け!劇的制作ワークショップ!』レポート
募集時のページ(記録用に残しています)>>
 2006年9月28日、演劇集団キャラメルボックスの製作総指揮であり、ネビュラプロジェクト代表取締役である加藤氏を講師に迎え、「加藤昌史に訊け!劇的制作ワークショップ」をゆめアール大橋にて開催しました。

約2週間という短い期間での告知だったにも関わらず、当日は41人の参加者が集まりました!

「時間がもったいないので、どんどん早口でしゃべります。」と、事前アンケートから1つ1つ質問に加藤さんが答えていくところからワークショップは始まりました。クロストーカーの3名からのアンケートの質問への回答を中心に、すすんでいきます。

立ち上げ時の話から、劇作家との信頼関係、一年中芝居をして芝居で食べていくということがどういうことなのか。体験をもとに語って答えていただきました。
災害時の対応などでは、「劇団のポリシーを誰が決めるか」という部分にまで食い込み、 AEDの購入、避難訓練の必要性など、制作として最低限必要な公演時の安全性にも触れていきます。同じような心構えがピンチ時の対処法にもいえ、ニュースでみるようなピンチを他人事だと思わずに、 自分の所にもおきたらどうするのか、事前に話し合っておくとよい。ということでした。

動員の増やし方や動員増加でぶつかる壁についても、参加者に配布されたキャラメルの動員実績表を元に、答えていきます。
キャラメルボックスでは5公演目で1000人を超えたが、それはどうしてだと思いますか?という問いかけを参加者におこないます。加藤さんからの答えは「自分が友達を増やしたから」とのことでした。

1000人までは自力で友人(友人の友人)に売ること!
友人、親戚に年賀状出していますか?
ケータイのアドレス帳は何件ですか?
努力が足りないと動員も伸びないのは当たり前!
劇団の責任者は、まずは代表の自分がチケットをしっかり売ること。
そうすれば、自然と団員も動き始める…。

さて、どんどん売れていったとして、小劇場から中劇場クラスへ大きくなるときには、作品づくりから見直す必要があるということ。 会場のサイズが違う、伝わり方も違う。そして何より、「油断」と「慢心」には注意するように!と。動員が増えていく中で、「油断」と「慢心」により、ダメになったところがいかに多いか
また、とにかくデータを分析する、例えば、どうして動員が増えたのか?このときにどういう情宣をしていたのか、どんなパンフを作ったのか?どんなチラシだったのか?など。そこから多くのことがわかります。
一例として、実際の公演の収支計算書を資料として提示され、某作品時にいかに赤字が出たかという生々しい話しもありました。

また小劇場系で陥りやすい失敗の1つとして、作品の「色」(劇作の方向性)を変えてしまうことがあげられてました。ひとつの方向性を貫けないばかりにお客さんが定着していかないということを説明されます。
どうしてもいつもと違う事をやってみたい場合は、「いつもと違う」ということをチラシや料金や会場から明らかに分かるように工夫した上で、常連のお客さんが「見てみようか」あるいは「いつもと違うなら止めておこう」と選べるようにすることが、常連のお客さんを手放さないコツだということでした。

また、福岡というローカルで何を活かしていけるか、という話しでは、TVのキー局とローカル局を持ち出しながら、メディアのローカル事情もチェックします。
ローカルはある意味めぐまれており、その利点を利用することが大事だろう。と、全国を回る加藤さんだからこそ見える福岡の可能性を語ってもらいました。

ほかにも、時間のある限り、いただいた事前アンケートにお答えいただきました。
「自分のこどもが役者になりたいと言ったらどうしますか?」などツッコミの質問も。

考えるだけではなくて、行動すること。それも今すぐに。やるべきことはいくらでもある。思うだけでは何もかわらない。そのようなメッセージにあふれる2時間でした。

最後にはサプライズのプレゼントもあったりと盛りあがるなか、ワークショップは終了。終了後の懇親会も参加者多数でにぎわいました。

加藤さん、ご協力いただいたみなさま、参加者のみなさま、ありがとうございました!

レポート:山本(FPAP)

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