北川大輔さん (カムヰヤッセン) インタビュー

劇団の旗揚げから約6年。関東を拠点に活動を続け、2014年
2月に初の福岡本公演を行う、劇団「カムヰヤッセン」。
代表で作・演出を務める北川大輔さんに芝居を作る時の思い
やこだわりを聞いてみました。

(インタビュアー FPAPサポート・スタッフ 大野智子さん)


 

      
       過去公演『やわらかいヒビ』より (撮影:原絵里子) 

   大野さん:作品の世界観を創るにあたって、何か意識されていることはありますか?

   北川さん: 2014年の日本に生きていることの色々な要素から膨らませていく感じで
     す。クセのある設定には毎回するけれど、下敷きになっているのは必ず
     「今」、僕たちが生きている所にある「もの」で、そして見ようと思わなけ
     れば見ずに暮していけるものに作品の始まりを見つけているかなという
     のはあると思います。ちょっとした引っかかりが毎回、創作の最初にきて
     いるかなと思います。日常にある、ちょっとした引っかかりをつかまえるた
     めのアンテナを張っておくというのは、いつも考えています。


過去公演『夕焼けとベル』より

   大野さん:作品に「特殊な人達」がよく登場しますが、どういった想いでこの特殊な
     人達を描かれたのでしょうか?

   北川さん:劇作のレトリックとしてやっているのは大きいんですけど、みんなどこか
     しらに特殊なところはあるし、そういう日常に潜んでいるちょっとした違
     いを誇張したら、大多数にも少数派にもなりえる
っていうのを書きた
     かったんです。僕の中で特殊っていうのは引っかかる所でもありますし、
     それを俳優さんとか登場人物の間で動かしたいなって思いはあります。

   大野さん:作品を通して「アイデンティティ」を社会の中で探す難しさ、みたいなのを
     感じたのですが、そういったことのお考えを伺えたらと思います。

   北川さん:平成になって「個人」の物語に帰着して生きていくとか、「あなたはあな
     た、私は私」みたいになったけれど、やっぱり物語を欲しているというの
     はあるなーと。結果、日本人というのに帰着意識を持ち始めるというの
     はあるなあと思います。けれど最終的に「自分は何だ」という問いに「自
     分は自分だ」という所に戻っていくのは僕の中では大きな物語だと思っ
     ているんで、それは毎回考えて書いています。
      
過去公演『やわらかいヒビ』より (撮影:原絵里子) 

   大野さん:登場人物同士が感情のぶつけ合いをしているシーンが多いのが印象
     的です。そこで他者と自分との関係性、みたいなことについてお話を伺
     えたらと思います。

   北川さん:本気で何かをしようと集まっている人と本気で向かい合うのが礼儀だと
     思っているのは僕の中ではありまして。本音で喋って、それでも分かり合
     えない。けれど一緒に何かをやることに価値があると思っていたので、こ
     ういった本を書いている気がします。

過去公演『夕焼けとベル』より

   大野さん:今回の公演のチラシで「男女の役割」というフレーズが出てきますが、最
     近はそういった所が不透明になってきたように思います。そのことに関し
     てはどう思われますか?

   北川さん:まず「本音と建前のズレ」ってすごく面白いなあと思ったんですよね。
     特に男女の性差に関しては。だからこそ本音から女を入れたくないと言っ
     ている落語の世界は面白いなと思ったんですよね。本音も建前も「女を入
     れたくない」というのが逆に清々しいなあと思って。だから始まりで落語の
     世界を選んだっていうのはあると思います。

   大野さん:今回の公演の意気込みをお願います。

   北川さん: 九州の人に今回の話がどう映るか興味があります。とは言っても、ケララ
     と楽しみに気軽に観に頂ければと思います。

インタビューを読んで感想をつぶやこう!

   インタビューを読んで「へぇ〜」と思ったことドシドシつぶやいてみよう!
   【やり方】 表示されているツイートボタンを押して、表示されるツイート画面の先頭に、感想を書いてツイートしてください。    

 

北川大輔の作品世界を体験できる

カムヰヤッセン第10回公演
「新説・とりかへばや物語」
脚本・演出 北川大輔
クリックして画像を拡大

日時

2014年2月22日(土)・23日(日)


携帯からの予約はこちらをクリック!
※受付開始・開場は開演の30分前。

料金

前売 一般2,200円、学生1,700円
当日 一般2,500円、学生2,000円

学生:要学生証提示
日時指定・全席自由

あらすじ

  今でこそ女性師匠もいる落語の世界だが、長い間女性は落語家になれなかった。
   なぜ、女性は落語が出来ないのか。江戸時代の世相を反映しながら、一人の
  落語家がその真相を探っていく。そして彼が創りだした話がいつしか本当の
  話にようになって...。
  
  主催:カムヰヤッセン
  共催:NPO法人FPAP
  協力:(公財)福岡市文化芸術振興財団


FPAP応援企画 デブがカブでご挨拶に参ります!

公演に先駆けて1月に福岡で開催したイベントの記録は ★こちら★から!