日時
2018年2月7日(日) 19:30〜21:00
会場
ゆめアール大橋 大練習室(福岡市南区)
講師
福永郁央(あなピグモ捕獲団脚本・演出)、松岡伸哉(ヒカリノオト脚本・演出)
作家
馬場佑介(福岡大学4年生/Yb(イッテルビウム)脚本・演出)
脚本
CLEAR(一寸先はパルプンテ卒業公演)
進行
高崎大志(NPO法人FPAP 事務局長)
記録
豊岡舞(NPO法人FPAP)

公開前の作品のため、一部の公開となっております。
完全版は、公演終了後に公開の予定です。



-----------------------------------------------------------------
作家面について
-----------------------------------------------------------------

高崎:脚本の話をすすめてきたところですが、馬場君の作家としての魅力や強み、技術的にすぐれているなと感じたことがあれば。作家面で。

福永:多岐にわたっての知識があるし、世界のことを知ろうとしていることは作家としていいのかなぁと思う。

松岡:コメディをつくる力。コメディ部分はちょこちょこ面白くて、もっとコメディで展開してもいいんじゃないかと思ったほど。コメディが良かっただけに、最後は、〇〇がでてきて説明して収束という話になっていたので。

福永:〇〇もっと前から出して、よかったのではないか。〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇みたいに出していってもいいのかも。

松岡:前半と後半で脚本が別のものになっているような印象です。前半のコメディに対し、後半のちょっと哲学的な部分、説明的なところを説明的と感じさせないくらい哲学的なところもあったと思う。
 コメディの馬場さん+伝えたいことがしっかりある馬場さんは魅力的だと思う。そのバランスが取れた作品、どっちかに寄ってもいいと思うし、そこを揺らがずにやっていってほしい。

福永:笑いを書こうという姿勢が、魅力的だと思う。お客さんにとっては、大切。
 初めて書くと自分のことを書いてシリアスになるので、そういう意味では肩の力は抜けているのかなと思う。

福永:変な話、最後の最後まで、ボケたりして笑いに行ってもいいくらい。そこまでやれたらおもしろいだろうなと。

高崎:まぁ、この構成は、これはこれでいいのでは。

福永:これは、これでいいけどね。
 一発ざっと書いた後に、前に立ち返って、前半に粉をまいて、後ろにもまいてみるという推敲の作業が足りないのかもと思った。
 サビから始まってもいいんじゃないかと思う。


-----------------------------------------------------------------
台詞について
-----------------------------------------------------------------

福永:この脚本を100%面白いものにしようと思ったら、後半の「一緒に〇〇〇〇〇〇〇〇〇」、という台詞と「なんたって俺は〇〇だからな。」という台詞。
 ここまで書いて出てきた台詞なのか、これを書きたくて書いたのかはわからないけど、この台詞が前半に粉をまけていたら、すごい、落ちるというか。
 お客さんは、伏線といわれるものを消化したいものだから、フリでもいい。

福永:たとえば、そのセリフを色んな人に言って、NOといわれてたけど、最後にYESと言われるとか。すぐにYESが来るのは、あまり感動的ではないかなと思う。

高崎:(そのセリフを追加するとして)2回かな

福永:俺は7回やったことがある

高崎:7回は、、、(多すぎて、演劇的な効果としては)効かないのでは、、、

福永:(7回は)効かないよ(笑)。まぁでも最後に落ちればね。〇〇〇〇〇はもっと前に(伏線が)あってもいいかなと。

高崎:前半と後半が、別の脚本みたいだという意見がありました。

松岡:前半がちゃんと後半に続けばいいんだろうけど、〇〇〇〇のキャラクターにしても、 〇〇〇にしてももったいない。一番は〇〇〇だけど。

高崎:(笑)いや、〇〇〇は〇〇〇であれでいいんじゃないかと。

福永:いや、よくないよくない。〇〇〇は池から出てきて・・・

高崎:(馬場氏に)これは、冗談で言ってるからね。

福永:いや、いや本気

松岡:ただわからず〇〇〇、〇〇〇〇〇〇っていって、ただ小ネタを挟んでフェードアウトしていく。そして、次に〇〇じゃないですか。その後も続けて、〇〇〇や〇が現れて、もうちょっと後半にいかせていれば、この作品はもっと盛り上がるのではないか。

高崎:〇〇〇と〇〇〇〇〇のネタって(作品の構造とは関係なくて)小ネタで終わってますよね?

松岡:でも、最後、見送っている感じで終わってますよ。

馬場:途中で手に負えなくなってきて、、、、

高崎:いい言葉出た!(笑)

馬場:わからなくなって、、、

高崎:最後に〇〇〇〇〇の曲を流すとか、、、

福永:ト書きにみえるんだけど、自分で書いて演出すると、どうしても、ト書きに全ての思いを込めちゃう。どうするんだろこのシーンとか思うことがある。
 あと、登場人物は誰が誰をやるかが、わからなかった。〇〇〇と〇〇〇を同じ役者がやるとか、それがわかっておけば。

松岡:〇〇は、誰がやるんですか?

馬場:〇〇は〇〇〇にさせようかなとぼんやり思っている

松岡:決まってるわけじゃないと

高崎:〇〇〇にやらせるとまずくないですか

松岡:〇〇が説明して、すぐ出てきますよね、、、

福永:(ウェルメイドみたいな本ではなく)こういう本を書こうと思ったきっかけは?

馬場:後半の哲学的なものを扱いたいなと思ったときは、具象的ではなくて、抽象的なものを描こうというのがまずあります。

松岡:こういう(本)は、自分では新鮮な方?

馬場:とても新鮮なほう。毛色も違う感じ。

松岡:今回の本は、前半はコメディ、後半は哲学的なかんじだが、これまではどっちより?

馬場:劇団の戦略に合わせて書くことが多い。団員にどういうのがしたいかを聞いて、コメディがしたいとか言われたらそういうのを書く。自分がこういうものを書きたい!と思って書くことはあまりない。


-----------------------------------------------------------------
影響を受けた作家
-----------------------------------------------------------------

福永:影響を受けた作家とかは?

馬場:あこがれたのは、鴻上さんの「朝日のような夕日をつれて」という作品。それ以降は、それに類するような書き方だったり、抽象的な設定には影響を受けているかも。



ここから先は、脚本を1ページからめくりながらの意見交換となりました。
脚本を読んだ・公演を見た人、または「ブラッシュ改」がどのレベルまで掘り下げたやり取りをしているか、 関心のある方におすすめです。公演終了後に公開予定です。公開時はFPAPのTwitterにてお知らせいたします。

主催・協力等

主催:NPO法人FPAP
後援:九州地域演劇協議会


その他

劇作家のためのリーディング企画ブラッシュ