九州演劇人サミットin福岡 2011 〜 次代を担う、大学演劇部 〜は、九州各地の大学演劇部が一堂に会し、各地域の大学演劇部の状況、課題などを語り合うというものです。
九州の大学演劇部が各地域で何を思って活動しているのか、何に悩んでいるのかなどを話合い、議論する中で、問題解決や交流の場となるというのが狙いです。
九州演劇人サミットin福岡 2011の中の企画として、非公開で実施しました。
九州演劇人サミットin福岡 2011 〜 次代を担う、大学演劇部 〜
日時・会場等
日時
会場
ぽんプラザホール(福岡県福岡市博多区祇園町8番3号)
九州演劇人サミット『次代を担う、大学演劇部』
―自己紹介(事前連絡をしていた内容も含む・着座位置順) ■池江拓哉(イケエタクヤ) 九州大学 [演劇部の人数]22人 ■紺屋勇人(コンヤハヤト) 宮崎大学 【演劇部の人数】50人 ■宮田晃志(ミヤタコウシ) 鹿児島大学 【演劇部の人数】16〜20人 ■丸山由香理(マルヤマユカリ) 久留米大学 【演劇部の人数】12人 ■大瀬満(オオセミツル) 大分大学 【演劇部の人数】25人 ■小山田佳祐(コヤマダケイスケ) 長崎大学 【演劇部の人数】20人 ■司城宏太郎(シジョウコウタロウ) 熊本大学 【演劇部の人数】8人 ―大分大学大瀬さんから、次の公演会場が500人のキャパシティであることと、集客の不安について話がある。普段は100人ちょっとの集客をしているとのこと。 宮田:新聞、テレビ、雑誌、ラジオと、とにかく当たれるものは当たるといった感じ。だが、それによる効果はあまりない。身内客がやはり多い。お父さん、お母さんには絶対売れよと言っている。 司城:ノルマがあって、余った分は買取だぞと言っているけど…。 池江:チラシ折り込みは必ずやる。福岡は地下鉄の構内に貼ってあるおでかけ案内に、ただで載せて貰えるのがある。 大瀬:やはりノルマとか厳しくやらないと売れないですよね。 ―チケットの料金設定はどうしているかという話になり、無料〜1,500円の間で設定されていることがわかる。無料や300円程度のものが多い。 宮田:会場の関係で499円というのをやることがある。500円以上の入場料を取る場合は施設使用料が変わってくるので。 丸山:無料。 ―チケット料金の話の延長で、部費の話になる。月額や年額や初回のみに必要な費用や、公演時の関わり方で変わるというのもあり、様々。チケットノルマ制をここに加えているところもある。部費を取る必要はないが、責任を感じさせるために幾分徴収しているというような話もある。広告やイベントの手伝いをしながら、足りない部費を埋めているところもあり。 池江:九州大学は公演ごとにキャストいくら、スタッフいくらというように部費を払うようにしている。払いたくないときはその公演をパスすることも可能。 ―交通の便の悪いところにある大学が多いが、公演をする時にどういう基準で会場を選ぶかという話になる。 紺屋:大学生が来やすいように山の中の大学に近いホールを借りている。 宮田:新入生歓迎公演など、学生を対象としたものは大学でやるが、普段は一般のお客さんに観てもらうため、学外に出ている。 丸山:大学事務局が年に一度、石橋文化センターというホールを借りているので、夏はそこで公演をすることになっている。 小山田:長崎は路面電車を使えば120円でどこまででもいけるから、あまり気にしない。 池江:九州大学は山の中に移ってしまい、その中には演劇公演できる会場がない。だから外でやっている。 ―演劇部内のモチベーションの差を問題視しているという声が幾つかある。まずは出席者の演劇をやっている動機について確認し、話をすすめることとなった。 池江:やるきっかけになったのは、スピットライトを浴びて、人に注目されて気持ちがいいというところからスタートしていると思う。 紺屋:部員が50人もいるから、それぞれいろんな理由があるとは思う。おいしいご飯食べられるからとか、誘われたからとか、どこで楽しさを見出すかわからないけど。 大串(福岡大学):「モチベーションの差」というので問題になっているのは、2つの考え方の違いだと思う。うちでは「サークル性」と「特殊性」と呼んでいる。「サークル性」とは、わいわい楽しみたい、仲間と一緒にいたいというもので、一方「特殊性」というのは、いいものを作りたい、作品のクオリティを上げたいというもの。この両者はいつもぶつかり、どちらかが辞めるということになる。 紺屋:確かにそれはある。自分たちでもその葛藤はあり、結局「人がやめないようにしよう」という方針とした。特殊性を求める場合は、大学ではなくて劇団でもいいと思う。大学の名前がついたサークルで、ちょっと演劇に興味を持った人に嫌な気持ちにさせるのは、表現は大げさだが演劇界にとって勿体無いことだと思う。部員がやめないぎりぎりのところで特殊性を高めたいと思っている。 大串:そう、サークル性を高めると、特殊性の人が離れていく。 紺屋:サークル性の人は辞めやすいというのはある。 司城:まさにうちがそれ。特殊性を高めようとした。部員が8人になってしまった。 宮田:かつて鹿児島は特殊性を極めようとした人たちが劇団を作って出ていった。その劇団が部員を取り込んで、部活が一度衰退した時期があった。 丸山:この視点で公演をする度に喧嘩が起こってて、それを見て嫌だなと思っていた。せっかくサークルに入って劇をするというのに、毎回毎回喧嘩して辞めちゃうっていうのは、違うと思った。個人には、サークル性のほうの意見も重視している。 紺屋:「サークル性」と「特殊性」と二項対立みたいに見ずに、それぞれの良さについて考えると良い。単純に人が多いとお金集まるし、マンパワーは侮りがたい。サークル性のこれらの長所は、特殊性にも活かせるし、両立できるものと考える。 池江:逆に作品の持つ面白さで楽しくわいわいできることもある。両立できたらいい。 大瀬:代が変わっていくごとにいろんな人間がいる。折り合いとか両立とか、どこのバランスを取るのか。サークル性をどこまで割合を増やすか。お客さんに見てもらうということがどういうことなのか。サークル性に比重を置くとクオリティは下がる。それが個人的に許せなかったりとか。演劇と呼べるのかとかいう葛藤もあったりする。割合が難しい。 紺屋:この場に来ている人たちは、放っておけば「特殊性」、公演クオリティの向上のほうを突き詰める人たちだと思う。だからあえて、「サークル性」、人と何かを作る楽しさということを重要視する人の気持ちも理解してあげてほしい。 ―「相互観劇したい」「集客のことで相談できたのはよかった」「自分だけが悩んでいることではなかったというのがわかって安心した」などという感想があり、九州演劇人サミット『次代を担う、大学演劇部』を閉じた。 |
Togetter
九州演劇人サミットに関するtwitterまとめページ >> togetter「九州演劇人サミットin福岡 2011 〜動く!九州の演劇シーン〜」
主催等
九州演劇人サミットとは?
九州演劇人サミットとは、2005年3月に熊本県立劇場で行われた劇作家大会2005熊本(日本劇作家協会主催)の中のプログラムとしてはじまったトークイベント。九州各県(地域)で活躍する地域演劇人が一堂に会し、各地域の演劇状況、課題や今後の展望などを語り合います。











