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日時
2011年8月11日(木)、15日(月)、30日(火) 各日19:00〜22:00
会場
ぽんプラザホール
講師
荒巻久登(有限会社シーニック)

ステージスタッフワークショップ【照明編】2/全3回

>>1回目(8/11)>2回目(8/15)>3回目(8/30)

最初に、劇場入りしてからのタイムテーブル(=時間ごとに何をするかわかりやすく表にしたもの)を見ながら、前回のおさらいで、仕込みの流れと、照明スタッフの動きを確認しました。劇場入りしてからは、まずはじめに照明を仕込みます。舞台上で大道具の仕込みが始まると、バトンを降ろせないので機材が仕込めないので、その間にパッチの作業、舞台セットができあがったらシュートの作業・・・など、他のスタッフの動きもみながら作業をすすめていきます。。

今回は実際に照明機材を仕込むので、照明仕込図が資料として配られました。
バトンのラインが引いてあって、照明を仕込む位置に記号が書いてあります。
欄外にはどの照明機材を何台使うのか、それぞれの記号があらわす照明機材の種類などが書かれていました。

照明機材をそれぞれ「○」や「◎」の記号であらわしていました。この記号の付け方は人それぞれです。荒巻さんは分かりやすいように機材の形を記号にしている、とのこと。どの記号を使ったとしても、仕込み図をみた人がわかりやすいように、どの記号がどの照明機材に対応しているか、きちんと仕込み図に明記しておきます。

照明機材の記号の横には、「#73」や「#N/C」という表記がありました。
これは、照明機材にいれるカラーフィルターのことで、「#」の後の数字は、色の番号を表しています。
例えば、「#73」というのはダークブルーのカラーフィルターです。色の番号によって、様々な色があります。
「#N/C」 はカラーフィルターをいれないもので、「ホワイト」や「なま」と呼ばれることもあります。特に何も数字をかかない。ということもあります。

他にも、照明機材を同じ回路の口にさすものについて表記してあったり、パッチ作業の時に作業しやすいように、調光卓のチャンネルに、どの照明機材をどの番号に入れるかも書いてありました。

参加者より質問も。
Q. (仕込図にある)縦のラインはなんですか?
A. 一番真ん中にあるのがCLと書いてある分で、センターラインの略。そこから一定間隔(今回は3尺)にラインをいれて、センターからどのくらいの距離かわかるようにしています。日本の舞台は、尺貫法が残っていて、1間=6尺で約1.818メートル。この数え方・測り方は今でも舞台で使われているので覚えておくといいですね。

仕込みは、当日の打合せの時点で「この機材も追加で!」ということもあります。当日に仕込む機材が追加された、という想定で、自分で仕込み図に書き込みもしてみました。

仕込図の見方についての説明が一通り終わると、いよいよ仕込み作業を体験。
3つのグループに分かれて、説明を受けた仕込み図の通りに、仕込んでいきます。
まずは、照明をバトンに吊るところから。センターラインの説明、ケーブルがたれている状態の場合の処理方法などの説明を受けながら仕込みました。

荒巻さん:ケーブルがたれてきたときには、バトンに巻くなどして邪魔にならないようにしましょう。ケーブルがたれていると、みばえが悪かったり、照明のあかりの邪魔になってしまったりします。ケーブルの処理の仕方は決まった巻き方があるわけではないです。邪魔にならないようになっていればまずはOKです。


照明機材を、仕込み図の通りにバトンにつったら、カラーフィルターをいれます。カラーフィルターは紙や鉄の枠にいれて、照明機材にとりつけます。枠が鉄枠の場合は、針金を通して照明機材に巻きつけたりして、落ちにくくすることもあります。

照明機材を仕込図の通りに吊り、回路にコンセントをさしこんだら、ちゃんと点灯するどうかを確認。
慣れた人は、この時点でだいたい照明の大きさや向きを合わせておくことも。これを仮シュートといいます。
シュートの際に調整しやすいように、ネジはしめすぎず、動かせるようにちょっとゆるみを出しておきます。後で照明の向きなどを調整するときに動かしやすくするためです。

実際に作業を始めると、どんどん専門用語も出てきます。
照明のあたる大きさを広げていくことを「ばらす」、一番大きくすることを「どんばら」と言ったりする、という説明もありました。

吊り込みが終わり、バトンを上に上げる前に、照明機材がきちんと仕込み図通りの場所に安全に吊ってあるか、回路にコンセントがささっているか、ワイヤーがつけれられているかなどを荒巻さんが最終チェック。
プロの人たちは、仮シュートが終わったら、照明のチーフが必ずチェックするのが常識になっている、とのことでした。

仕込みは次々進みます。次は床置きの照明を仕込んでます。
床に置く照明の場合は、ケーブルがぐちゃぐちゃになっていると、こけてしまうこともあるので、ケーブルも綺麗に処理します。
ケーブルが長くて余った時はどうすればいいか、という質問もありました。

荒巻さん:ケーブルは電気が通っているものなので、ぐちゃぐちゃっと丸めてしまうのはよくないですね。丸まっていると熱をもってしまったりするので危険です。適度にのばして熱をもたないようにして、邪魔にならないところにまとめておきましょう。


吊り込み作業が終わったら、次はシュート→パッチです。
パッチの作業まで終了してから、シュートされた照明が実際にはどんな風にあたるのか、
照明があたると舞台上の人がどんなふうに見えるのか、などを色々試してみました。
照明をあてて見るときには、調光卓を触って簡単に操作も。

次回はシーン作りに挑戦しよう!ということで、参加者に宿題が出ました。
「A:希望にみちあふれているシーン」と「B:Aの状態から衝撃的なことが起こるシーン」の2つのシーンの照明のイメージを絵コンテでつくります。時間や場所・どんなことで希望にみちあふれているか・どんな衝撃的なことが起こったか、については、参加者の自由。この宿題をもとに、次回最終回のワークショップで、実際にイメージを形にしてみます。

























>>8/30のレポート

主催・協力等

主催:NPO法人FPAP
協力:九州地域演劇協議会
後援:(財)福岡市文化芸術振興財団、福岡市
助成:(財)福岡市文化芸術振興財団


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