日下部 (公演をするにあたって、韓国側との受け入れの)やり方は考えないと。奇しくも3つの公演のパターンが全部違うので、それを参考にしてもらえれば。

山下 グレコの公演予算としてマイナスだったのが、スタッフの人件費(照明・音響の人件費)がマイナス。釜山側は、日本側の公演もちゃんと申請すれば、日本からスタッフ人件費を出してもらえるという思い込みがあった。だから、スタッフ人件費がかかると思っていない。そのため、スタッフ人件費が中に浮いてしまい、こっちで負担することになった。 お互い当たり前だと思っているところで、食い違いがある。それは打合せておくべきだったなと思った。

後藤 うちの劇団は公演にかかる費用は全て劇団で負担した。

日下部 劇団go toの公演の時には、向こうの予算組の中に現金で受取るお金について入れてもらっていたので、もめなかった。そこは入念に何度も「もらえるんですよね?もらえるんですよね?」と聞いて確認していた。

森國 現金で予算組の中に入れてもらっていたというのは、相手方の公演予算に入れてもらっていたということですね。予算組に入れてもらうというのは、そう簡単なことでは無いと思いますが、今回は韓国側が日本に来た時に、日本の日下部さん側が負担した部分と引き換えに、交換条件として受けてもらえたということでしょうか?

日下部 直接お金をもらった形だった。さかのぼると、2013年の12月に韓国からトケビさんが福岡に来た時に、福岡釜山交流ひろば主催で公演を行った。その公演の時に保証金を支払っていた。その代わりチケット収入は主催者側に入るということで取り決めをしていた。 保証金のお金で旅費とか、もろもろやりくりしてくださいねということでやっていた。その逆の交換条件として、福岡の劇団が釜山に行く時に最低保証として保証金を支払ってもらうよう取り決めを行っていた。go toの公演は、一言では語れなくて、福岡釜山交流ひろばの交流事業としての一環として、九州・福岡で活動する劇団の紹介を兼ねて送り込んだというニュアンスがありますね。

森國 お金の話が出たんですけど、助成金などはどういった形でされていらっしゃいましたか?

山下 うちはFFAC(*公益財団法人 福岡市文化芸術振興財団)のステップアップ助成プログラムで採択され、50万円の助成金が交付された。

森國 日本側で助成金をもらって、それをもって日本と韓国公演という企画を行ったということでしょうか?

山下 (助成金の範囲としては)福岡市でやった公演の分だけが対象。韓国公演でかかったお金は含められていない。

森國 韓国公演は、韓国の受け入れ側で助成金をとっていたりというのはあったんですか?

山下 持っていきかた次第ではあると思う。

森國 今回の公演ではどうだったんですか?

山下 今回は韓国側でも助成金を申請していたみたい。韓国の助成金の申請の名義としてワタガタアートフェスティバルのプレ公演という形で枠を取っていたと聞いた。福岡側での公演ではこの表記ではない。

日下部 トタトガ自体が芸術の交流支援をしている施設で、これ自体が税金で動いている芸術振興のための団体。

山下 民間団体と国や市の公的な団体の、中間くらいの団体。

日下部 そのトタトガが呼んでいるので。一番骨太というか、強いネットワークをもっている。

森國 トタトガが支援をしてくれるということですね。M.M.S.Tの百瀬さんと劇団go toの後藤さんはいかがでしょうか?

百瀬 FFACのステップアップ助成プログラム日韓交流基金がとれた。

日下部 日韓交流基金については、福岡釜山交流ひろばの名義で出し、単独で取れたという経緯がある。

後藤 劇団go toは、日韓交流基金に出したけど助成金取れなかった。

日下部 劇団単位で単独で出してもなかなか通りにくい。なので、年間単位で1年間〜3年間くらい計画を立てて出していかないと単発的な公演だと難しいですね。

森國 劇団が出しても通りにくいということでしょうか

日下部 これはまだ推測ですけど、おそらくそうでしょう。調べればそういう結果が出てくると思います。

森國 海外で公演しようと思っているときは、そういう支援をしているところとタッグを組んでやったほうが良さそうですね。

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8 今後の課題、改善点について2

 

主催・協力等

主催:NPO法人FPAP
後援:九州地域演劇協議会

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