森國 皆さま去年の春から夏にかけてそれぞれ3つの劇団が釜山公演をされたということで、本日はお集まりいただきました。そしてそれぞれの公演に関わりを持っていらっしゃる日下部さんにもお越しいただき、お話を伺っていきたいと思います。それでは初めさせていただきます。よろしくお願いします。
まずは、公演の詳細についてはお話の中で触れてもらおうと思っているのですが、早速ですが、皆さまの釜山公演のステージ数や、動員について伺えたらと思います。

山下さん(以下、山下) グレコ(役者集団『グレコローマンスタイル』の略称)は、3日間の4ステージで、動員数についてははっきりとした数字は出ていない。

森國 そうなんですね。

山下 
収益管理、チケットに関しては、向こう持ちだったため。その分、釜山の方に助成金は下りて
いると思う。おおよそ、100人いってないくらいだったのではないかなと。

森國 
M.M.S.Tの百瀬さんはいかがですか?

百瀬さん(以下、百瀬) 
向こうの劇団とM.M.S.Tで連続公演として、2つ合わせて上演した。(HANARO project)その公演が5ステージで300人。収益管理、チケットに関しては、向こう持ちだった。

森國 
劇団go toの後藤さんのところはどうでしたか?

後藤さん(以下、後藤) 
劇団go toは、2日間で、4ステージ。動員数ははっきりとはわからない。100人くらいは入っていると思う。主催は向こうで、制作的なところは向こう持ち。チケット管理なども。最終ステージは結構いっぱい入った感じだった。

日下部さん(以下、日下部) 
先ほどのHANARO projectでの動員数については、(公演終わった)後から気付いて、何人ぐらいだったか聞いたところでのざっくりとした300という数字だった。正確なところではわからない。


森國 
(正確な数字が、ないようですが)受け入れ側の韓国側がチケット管理の文化として、あんまり動員数を把握しない習性があるのでしょうか?

百瀬 
劇場がチケットを売って、劇場の収入っていう感覚はあるだろうから、そこは(劇団側がメインである)こっち側とちょっと違うところなんじゃないかな。


山下 
ただ、感覚として、(お客さんは)来るときは来る(お客さんは)来ない時は来ないよという感じ。今日は何人、予定は何人来ます、っていうのはあんまりはっきりしない。向こうはロングラン公演の習慣があるので、あとで人気が出てきてどんどん満杯になっていくことはあるかもしれない。
3日ぐらい公演をしても、満杯になることはあまりない。だから安心していいよって言われた。
あと、韓国はものすごく割引の文化がある。招待とか。

百瀬 
それは間違いなくそうでしたね。

後藤 
そうでしたね。

山下 
正規で買っている人っていうのが少ないんじゃないですかね。

森國 
日本では、関係者割引、学生割引というのは一般的にあると思うんですけど、一般的なチケットの購入ルートとして、割引が多いっていうことですか?

山下 
けっこうばらまきます。普通の一般公演か、演劇祭の公演がある。その演劇祭の公演の場合は、事務局がまとめてばらまく。最低でも1週間くらい公演をするところが多いみたいなので、最初の方の公演はがんがんばらまく。

森國 
口コミで広めてもらうために、前半の公演のチケットをばらまくということなんですね。

日下部 
チラシとか、リーフレットとか、ポスターに、割引っていう風に刷り込まれている。かなりの劇団の公演に。

後藤 
私たちが公演したのは、お盆の時期だった。大学の近くの劇場で、学生に販売するという話だったけど、結局難しくなって。お客さんは集客できないから(招待を出す)ということだった。韓国の劇団がやったあとに、うちの劇団がやったんだけど、韓国の劇団さんがやってる時に入っていたお客さんに「この後に劇団go toがやるけど、今見てくれている人には無料ですよ」というアナウンスをしていた。

日下部 
買い取り公演として、イベントとして、ひとくくりになっている。招いてやってもらうためには、何かしらの冠を付けて(同時上演とか)。そうやって呼ばないと、関心を持ってもらえない。

 

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1 ≫ステージ数、観客へのアプローチについて
2 劇場・劇場文化の違いについて
3 渡航先での宿泊、経費について
4 予算の分担、ファンドレイジングについて
5 海外公演のアウトカム|観客の反応
6 海外公演のアウトカム|作品や作品作りへの影響
7 今後の課題、改善点について1
8 今後の課題、改善点について2

 

主催・協力等

主催:NPO法人FPAP
後援:九州地域演劇協議会

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