タイトル
土田英生の初心者向け戯曲ワークショップ *実際に書き出してみる、第一歩*
日時
2014年11月22日(土)13:00〜18:00
場所
書斎りーぶる(住所:福岡市中央区天神4-1-18 サンビル1F)
講師
土田英生(MONO代表)
募集サイトはこちら→

土田英生の初心者向け戯曲ワークショップ *実際に書き出してみる、第一歩*

 

2014年11月22日に、テレビドラマの脚本も手がける劇作家・土田英生さんを講師に招き、初心者・未経験者を対象とした戯曲ワークショップを開催しました。

   

土田さん:「今日は戯曲を書いてみる第一歩ということで、会話から物語が展開していくということをやっていきます。」

まず戯曲とはどんなものか、確かめていきました。

・上演を目的にしてるのは、台本とか脚本という本と言われる
・読み物をとしても成立しているのが戯曲
・小説は「文章」として認識するので、自然な口語体が必要というわけではない。書き言葉で書ける。
・戯曲は自然な口語体で書く・・・(ただ単に順番を変えればいいというわけではないが)順番を変えるだけでも、口語になる。
・基本的には、役者が登場して話すことからしか、情報がお客さんは伝わらない構造をしている。

土田さん:「戯曲はアイデアから始まります。自分を思ったことを、白い紙に書いていくと自分の中で考えていることが整理できます。最近起きた出来事から、心が動いたことを書いていきましょう。」

   

土田さん:「書く順序は、まずは軸となる人、登場人物を決めます。そして、戯曲では場所をどこにするかが非常に重要。
気軽に他人が入れる場所だと物語が発展しやすい。」

一例
・場所は教室、保護者会に来ている。
・登場人物は二人、男女・夫婦

皆の作品を発表した後、プロットと起承転結の説明に入りました。

・一場、二場、三場、四場に分かれている4場ものが書きやすい。
・オープニングとエンディングの部分から考える。最終的には、1つの場面(箱)ごとに細かくして書いていく。
・人の出入りについては、その人物が持つ状況や人間関係が重要となる

続いて、会話についてのレクチャーに入ります。

土田さん:「セリフを文章として書くと、とたんに凝ったものになりがち。人がしゃべることを想定して、実際に声に出して 読む実験をしてみることが大事。声に出してみて、その文章が受け入れられるかどうか、検証しないといけない。 頭の中でイメージしてこのセリフ使える!と思っていても、実際声に出して使ってみると違う印象を持つことがある。 登場人物が何気ないセリフを言ってるなぁと思わせながら、その背景にある部分とかを自然と感じさせることが必要になってくる。」

   

ここで早速、下記の条件を元に、メールの文を書いてもらいました。
【条件】
・初めて何かの集まりに出席した。
・会に出席した全員とメールアドレスを交換した。
・その中に、けっこう話も弾んで、気になる人がいた。
・会から帰った後、メールを送りたい。
・ほんのり好意を伝えたい。相手にその気がなく勘違いだった場合にも引かれることなく、勘違いじゃなかった場合には喜ばれるようなメール。

土田さん:「これはセリフを書く練習になります。演劇の練習じゃなくて、普段の自分だとして、考えてみましょう。
こういうことを考える作業が、戯曲を書くことにつながります。

【次の課題】
使える行数は5行、登場人物AとBの会話。ト書きは無し。
5行で、どちらか片方がもうすぐ死ぬということを分かるようにする。
条件:声に出して読んでみたときに引かれないこと
死ぬということを直接的に説明せずに死ぬことを悟らせること。小道具を使うこと。死神は使わないこと。

皆さん初めて戯曲を書く作業に緊張しながらも、徐々に筆が進んでいきます。作品が出揃ったら、書いた戯曲を声に出して読んでもらいました。

   

【最後の課題】
登場人物はAとBの二人、有名レストランからの帰りの会話。
時間になっても電車が来ない、二人は元々付き合っていた、という設定
聞いている人にこの状況、設定が伝わるように、8行のセリフを書く

参加者の作品を発表し終えた後、土田さんより講評を頂きました。

土田さん:「とにかく、1本頑張って書いて欲しい。長編を書くのは相当大変だけど、劇作をするのに才能は関係はない。書き切る根性があるかどうか。長く書いていると、自分の書き方がわかってきて、いろいろな技術がついてくる。10本書くことができたら、やっていけるか、このままではだめなのかわかると思う。書くのは苦しい作業だけどそれを越えるときっと書けるようになると思うので、頑張って欲しい。」

主催・協力・助成・後援

主催:NPO法人FPAP
協力:九州地域演劇協議会
助成:公益財団法人福岡県教育文化奨学財団助成事業 「トライ!シバイ!戯曲ワークショップ」
後援:福岡市、(公財)福岡市文化芸術振興財団

過去の関連事業 (実績レポート)

■2013年08月全2日開催 初心者・未経験者のための戯曲ワークショップ「書こうぜ、せりふっ!」(講師:島田佳代)

■2011年〜2012年全5日開催 戯曲ワークショップ「都市日記fukuoka」(講師:松田正隆)

■2011年10月全2日開催 演劇づくりの一歩!初心者・未経験者のための戯曲ワークショップ「あなたのぎきょく」(講師:樋口ミユ)

■2010年〜2011年全6回開催 誰にでも書ける、貴方にしか書けない戯曲講座(講師:泊篤志) [職員ブロクより]

■2010年7月全2日開催 「一枚の写真からはじめてみる」初心者のための戯曲ワークショップ(講師:田辺剛)

■2009年9月〜全5日開催 永山智行のもっとヤクニタタナイ戯曲講座(講師:永山智行) [職員ブロクより]

■2009年7月全2日開催 誰にでも書ける、貴方にしか書けない戯曲ワークショップ(講師:泊篤志)

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