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第1日目:2009年7月18日(土) 13:00〜18:00  講師:泊 篤志(飛ぶ劇場)

ワークショップ内容
レクチャー1 戯曲を書くことについて
実際に戯曲を書いてみる1
講評&レクチャー2 どうやって話をふくらませるか
実際に戯曲を書いてみる2
質問


1日目

今回の戯曲ワークショップは、泊さんが数か月かけて全7回くらいの戯曲講座として行なう内容のうち、1〜2回目くらいまでの内容を2日間で集中的にやってみる、というプログラムでした。
戯曲を書くためのとっかかりがわかるようになればいいな。というもの。


参加者のみなさんに、自分の名前+好きな○○を言ってもらう自己紹介。
好きな○○では、食べ物やスポーツ選手、映画、芸能人などさまざまなものがあがっていました。
自己紹介中に笑顔もこぼれていましたが、みなさんまだまだ緊張している様子です。


自己紹介のあとはレクチャー1 戯曲を書くことについて。

劇作家のしごととは?
なぜ書くのか?

などについて、泊さんの経験談も交えながらのお話を聞きました。
レクチャーの中で「同年代の劇作家は、書き続けられずにやめていった人もいるが、自分は書くのをやめられないから今も書き続けているのだと思う。情熱や執念・あきらめの悪さが書いていくことには大事かなと思う。」ということをお話されていたのが印象的でした。


自分の内側から沸きあがってくるもので作品を書いてほしい。ということで
泊さんが初めて内側から湧きあがってきたもので書いた作品『エンド・オブ・エイジア』を書くきっかけになったヒマラヤ登山中の山小屋での出来事・その時に初めて「明日、死ぬかもしれない」という衝撃うけたことのお話がありました。
「今までの飛ぶ劇場の作品とは違う方向性の芝居だったのでお客様に受け入れてもらえるか本当に心配だったが、無事初日を終えてお客様に受け入れてもらったときはとても安心した。初めて内側から湧きあがってきたもので書いた作品なので『エンド・オブ・エイジア』はとても思いいれのある作品」ということでした。



そしていよいよ実際に戯曲を書いてみる1。
一般的な戯曲の形式(縦書きに書く・名前のあとにスペースをあけて台詞を書くなど)をまず確認。
「いつ・どんな場所・状況で、どんな別れ方だったかを思い出して書いてください。名前だけは変えてもいいけど、脚色は禁止。わかってもらおうとか、説明しようとか考えなくていいです。実際に自分で体験した別れの場面を思い出して、そのまま書いてみてください」という説明を受け、自分の身に起こった「別れ」の一場面を書いてみました。


書いたあとには他の参加者の方に実際に口にだして読んでもらうという形で発表。
恋人との別れ・友達との別れ・家族との別れなどさまざまな別れの場面がありました。
同じ「恋人との別れ」でも、「そうそう!そうだよね〜」と共感できるような別れや
「えっ、どうなってるの!」とびっくりするような別れなど、参加者の方みなさんそれぞれでバラエティに富んだ別れの場面がえがかれており、発表の間、他の参加者の方の作品も楽しそうに聞いていました。


全員の発表が終わったあと、泊さんより
「おもしろかったので全員発表してもらった。
心が動いたり、言葉にできない思い・言葉にしてしまう思いがにじみ出てきたりするようなテーマで書いてもらった。今回は年齢層が高めなので、若い人たちばっかりよりもいろいろ出るかなと思い、『別れ』をテーマにしてみた。高校生だと、だいたい小学校時代の転校のこととかになっちゃうので、若い人たちだけだと別のテーマで書いてもらうことも。たまに『えっ、君高校生だよね?』っていう経験豊富なのもあるけど。」


ここでいったん休憩。
休憩のあとは実際に戯曲を書いてみる2。それぞれが書いた「別れ」の戯曲に創作を加えてさらに書いてみることに。
泊さんから、例として第3者の登場を書いてみせて、
「別れた後まで書いてしまった人は、別れたりしない状態の時点から、第3者が登場する。というのを書いてみてほしい。出てくる第3者は“来るはずのない人”がおもしろいです。でも、理由は納得がいくものを。第3者が登場するおかげで、人物たちの状況が変わったり、人物たちの情報がより出てくる、というものを書いてみましょう。『こうしたらおもしろくないか?』というアイディア・気持ちで書いてみてください。但し、場面を変えないコト。相談は受付ます。」


起こった事をそのまま書くという時は、みなさんけっこうすらすらと書いていらっしゃいましたが、新たに創作の要素を加える、というのは大変なようで、苦戦している方もいらっしゃいました。
泊さんも参加者の書いている様子を見ながら、相談に答えていました。


書き上げたのち、また他の参加者に読んでもらって発表。
第3者の登場・行動によって新たな展開がうまれるものもあれば、
第3者と登場人物たちとの会話で登場人物の関係性・情報などが新たにわかったりなどしました。
第3者として登場するのは、登場人物全員の知り合いであったり、誰かの関係者であったりする場合が多かったですが、唐突に「えっ、誰なの!?」という人物が登場していた作品もあって、おもしろかったです。


全員の発表が終わり、泊さんより第3者をだす理由の説明。
第3者を登場させることで、その場面の状況をひっかきまわして関係性がよりわかるようになる。
また、どんなにおもしろい会話でも、ずっと2人で話している状況が続くとおもしろくなくなってしまうことがある。
ということでした。


観ているお客様を飽きさせないためにお話をふくらませていくのかな、と思いました。
最後に、課題戯曲を配布。
課題戯曲を読んで自分なりに「起・承・転・結」に分けてくる、という宿題が出ました。


みなさん、最初から最後まで「受講するぞ!」という気持ちたっぷりで、
休憩の間も、自分の戯曲を見てあれこれ考えたりする人もいたりと
集中力の途切れることなく、集中しっぱなしの1日目でした。



レポート:三坂

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主催:NPO法人FPAP(エフパップ)
協力:九州地域演劇協議会
後援:福岡市 福岡市教育委員会 (財)福岡市文化芸術振興財団 
助成:(財)福岡県教育文化奨学財団